松戸・柏・我孫子と近隣市がこどもの甲状腺エコー検査に補助金を出しはじめているにも関わらず、流山市は、国が放射能被害を認めていないことを理由に、拒否続けています。この3月議会に、市民により陳情が出されました。委員会では、1:5で否決されています。明日は本会議での採決。皆で傍聴に行こうと呼びかけられています。
私は、過去にまだ、市長になっていなかった井崎さんと関わりがありました。今回は、議会への陳情ではありますが、市長の無認識・無責任な態度に、次のメールを流山市のホームページのご意見募集ページに送りました。
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流山市長
井崎義治さま
松戸の武笠紀子です。
ご無沙汰しています。
市長としてのご活躍ぶりを隣市から拝見しています。
突然ですが、お願いしたいことがありメールしました。
ご存じの通り、この3月市議会に 、「流山市の子どもたちの甲状腺エコー検査費用の補助を」という陳情が出されています。残念ながら、委員会では反対多数で不採択となってしまいました。
福島原発事故から5年経ちました。千葉県東葛地域に放射能が降ったのが5年前の21日の雨でした。私は、3号機爆発前の14日に、放射能の拡散を怖れて京都へ避難、当時は滋賀県の大津に居りました。友人にチェルノブイリ以来、放射能測定器を備え全国の放射能測定ネットワークに加入している方がいて、原発事故の直後から測定器の警報音が鳴り止まないとのメールをいただいていました。私は、知っている限りのMLと個人にメールを転送するなどで警告を出しましたが、中々信じていただけませんでした。千葉県は市原の観測所のデータを盾に拒否しましたし、松戸市も、他の自治体も放射能が来ていることを受け入れませんでした。私は松戸と流山の消防署にもいって放射能測定器を見せてもらいましたが、この測定器では福島からの避難者をサーベイするだけで、大気中の放射能は測れないと測定を断られました。そして、私の出した放射能情報はチェーンメールだと言うような非難もあり、この地域の放射能汚染を信じてもらうのが難しい状況でした。
友人や私のメールをみたり、自ら情報を得て、窓や換気扇を目張りして家から出ないようにしていた人もおりますが、国も報道機関も何の放射能情報を出さなかったために、何の防備もなく子どもづれで外出し、外で子どもたちを遊ばせていた人がほとんどです。その後、小中学校の運動会も春に実施されていますが、放射能で汚染された運動場で土ぼこりを浴びて練習(私は何度も松戸市教育委員会に電話しました)をしていたのは、流山でもあったことだと思います。
松戸市は、昨年度より「保護者の安心のため」と当時18歳までの子どもたちを対象に甲状腺エコー検査の費用の補助を始めました。一人3000円、総額で年間36万円というささやかな補助金ですが、希望者が多く28年度は増額されます。今年度からは柏市、次年度からは我孫子市が始めます。鎌ヶ谷市でも前向きな方針が出されています。
市長のマニフェストに「母になるなら流山市」というのがあります。子育て環境の充実がマニフェストのトップに出ています。5年前から流山で子育てをしてきたお母さん・お父さんたちのこともマニフェストの中に含まれていることと思います。
今回の放射能の件では「放射能を心配するから身体に悪い」「笑って暮らせば怖くない」などと平気で言う学者もいます。千葉県が講演会を繰り返している高田純氏はその手の人です。私は流山の商工会議所で行われた講演会に参加しましたが、あきれたことに「私は福島の海で泳ぐ」と言い放った人です。市長がそのような非常識な考え方を支持しているとは思えません。福島で多数見つかっている子どもの甲状腺癌が「放射能の影響ではない」という科学的・医学的な証拠はありません。
今の流山市の放射能の状況をしっかり調べることもとても大切ですが、5年前の放射能流出とその後の放射線被曝が、流山の子どもたちの健康に与えた影響を調べておくことは、同じように大切です。
心配する保護者は、すでに子どもに甲状腺エコー検査を受けさせていることはわかっています。しかし、子どもは親を選べないのです。注意深く育てられた子どもだけが検査をうけられて、その他多くの子どもたちが、放射能の影響があるかないかを調べた方がよい状況に置かれたにもかかわらず、必要とされる検査を受けられないのは人権に関わる問題です。
私は、昨日も、金曜日の再稼働反対抗議行動に参加して来ました。もう180回ほど参加しています。福島原発事故の原因究明と対策が不明なまま、各地で再稼働が進むことが心配です。そして、ベースロード電源と位置付けて、原発の再稼働を目指している政府は、福島第一原発事故由来の放射能による健康被害を認めません。そうした国の政策の中でも、住民の生命と財産を守る立場の自治体が、積極的に被害を受けたかもしれない地元の子どもたちの健康検査を進めていくことこそが、地方分権時代の「地方自治」のあり方だと思います。
流山市においても、子どもたちの甲状腺エコー検査を進めてください。